競馬はブラッドスポーツと言われるだけあって、血統ごとに特徴や傾向が異なります。ここでは種牡馬別に距離適性を芝コース・ダートコース別にランキング形式で一覧にしたので紹介します。エクセルで閲覧したい方は下記ファイルをダウンロードして下さい。
ランキング算出方法
まず今回のランキングの算出方法を説明します。
対象となる種牡馬
対象となる種牡馬は2015年~2018年に出走した競争馬の中で、出走数が多い上位20頭の産駒に限定しています。
これはデータ数が少ない馬だと特徴や傾向の信頼性が下がるため、ある程度のサンプル数を確保する意味で上位20頭に限定しています。
対象となるコース
芝とダートでは大きく傾向が異なるので、芝とダートはそもそも別コースという考え方で距離適性を算出します。よって、比較する種牡馬の数は芝コースで20頭、ダートコースで20頭になります。
また、今回はコースごとの特徴は考慮せず、すべてのコースは同じという仮定に基づき距離適性を算出しました。つまり、中山1200mであっても阪神1200mであっても同一の1200mのデータとして扱うこととしました。
評価方法
種牡馬ごとの成績を比較するにあたり、ここでは「平均着順」を用いることにしました。比較する指標として「平均タイム」もあるかと思いますが、平均タイムの場合は、例えば1頭の入線が非常に遅れた場合は、それにつられて平均タイムも遅くなり、データの信頼性が下がる可能性があります。
この問題を解決するために「平均着順」にすることで、ある程度遅い馬でもフィルタをかけることができるようになり、データの信頼性が安定すると考えました。
ただし、「平均着順」は万能な評価軸ではなく、着差ごとの差が考慮できなくなる点は把握しておいた方がよいでしょう。
また「平均着順」を算出するにあたって、どのレースも16頭換算で「平均着順」を算出しています。
例えば、8頭立ての5着と16頭立ての5着はどちらが価値が高いでしょうか?
同じ5着でも当然16頭立ての5着の方が価値が高いですね。このようなことが想定されるため、出走頭数も考慮して「平均着順」を算出しています。
最終的には「平均着順」を偏差値形式にして比較しています。
50が普通で50より大きいと優秀で、50より小さいと劣っていることを示します。
距離適性ランキング(芝)
それではまずは芝コースの距離適性ランキングです。
距離はデータサンプル数が十分にとれる1200m~2400mの範囲で算出しています。
芝コースの場合は全部で7種類の距離で比較しています。例えば一番左のディープインパクトを見てみましょう。7つの棒線のうち1200mと2400mの棒線が他の棒線より低いことが分かります。
これはディープインパクトとしては1200mと2400mは苦手ということを示しています。ただし、これはディープインパクト自身の比較になります。他の種牡馬とディープインパクトの1200mと2400mの棒線の高さを比較してみましょう。
ディープインパクトよりも棒線が高い種牡馬はいませんね。つまり、ディープインパクトとしては1200mや2400mは苦手だけれども、他の種牡馬よりは得意な距離ということが言えます。
このようにこのグラフから距離適性を種牡馬ごとに比較することができます。
また、大まかな傾向だけ知りたい方は下記表で確認することもできます。
【種牡馬 距離特性一覧(芝)】
☆かなり得意 ◎得意 〇普通 △やや苦手 ×苦手
種牡馬 1200m 1400m 1600m 1800m 2000m 2200m 2400m
ディープインパクト ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ハービンジャー 〇 ☆ ☆ ☆ ☆ ◎ ◎
ヴィクトワールピサ △ ☆ ☆ ☆ ◎ ◎ ◎
キングカメハメハ △ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ☆
ハーツクライ ◎ ☆ ◎ ◎ ◎ ◎ 〇
ステイゴールド △ ◎ ◎ 〇 ◎ ◎ ◎
マンハッタンカフェ ◎ ◎ 〇 〇 〇 ◎ △
ダイワメジャー ◎ ☆ ◎ ◎ 〇 〇 ×
ジャングルポケット ◎ △ × △ △ 〇 ◎
アドマイヤムーン ☆ ◎ ◎ △ × × ×
メイショウサムソン × × ◎ ◎ ◎ × △
ゼンノロブロイ △ ◎ 〇 × △ × ×
タニノギムレット × × × × × △ ◎
ネオユニヴァース × × × △ × × 〇
シンボリクリスエス △ △ × × × △ ×
キンシャサノキセキ ◎ ◎ 〇 × × × ×
タイキシャトル ◎ × △ × × △ 〇
クロフネ × △ 〇 × × × ×
ブラックタイド △ × × × × × ×
マツリダゴッホ △ △ 〇 × × × ×
距離適性ランキング(ダート)
次にダートコースの距離適性ランキングです。
距離はデータサンプル数が十分にとれる1200m~2000mの範囲で算出しています。
ダートコースの場合は全部で5種類の距離で比較しています。例えば一番左のゴールドアリュールを見てみましょう。5つの棒線を見ると距離が増えるに従って棒線の高さも低くなっているので、短距離が得意で長距離が苦手という傾向が見られます。
他の種牡馬と成績を比較することもできます。例えばゴールドアリュールとキングカメハメハを1200mと2400mで比較してみたいと思います。棒線の高さを確認すると1200mに関してはゴールドアリュールが有利で、2400mではキングカメハメハが有利となっています。
このようにこのグラフから距離適性を種牡馬ごとに比較することができます。
また、大まかな傾向だけ知りたい方は下記表で確認することもできます。
【種牡馬 距離特性一覧(ダート)】
☆かなり得意 ◎得意 〇普通 △やや苦手 ×苦手
種牡馬 | 1200m | 1400m | 1600m | 1800m | 2000m |
---|---|---|---|---|---|
キンシャサノキセキ | ☆ | ◎ | △ | ◎ | ☆ |
キングカメハメハ | △ | ◎ | ☆ | ◎ | ◎ |
エンパイアメーカー | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 |
ゴールドアリュール | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 |
クロフネ | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | △ |
ハーツクライ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
シンボリクリスエス | × | △ | ◎ | ◎ | ◎ |
パイロ | ◎ | ◎ | × | △ | ◎ |
マンハッタンカフェ | 〇 | × | 〇 | 〇 | ☆ |
アグネスデジタル | △ | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 |
カネヒキリ | △ | △ | △ | ◎ | ☆ |
ネオユニヴァース | △ | 〇 | ◎ | 〇 | × |
ヴァーミリアン | × | ◎ | ◎ | △ | × |
ディープスカイ | × | × | × | 〇 | ◎ |
プリサイスエンド | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | × |
ダイワメジャー | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × |
ゼンノロブロイ | × | × | ◎ | △ | × |
ブラックタイド | 〇 | 〇 | × | × | × |
サウスヴィグラス | ◎ | △ | × | × | × |
メイショウボーラー | △ | 〇 | × | × | × |
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