株やFXにおいてリスク管理は非常に重要です。前回の記事ではバルサラの破産確率をイメージするために、エクセルのシミュレーションで取引推移を確認しました。今回は破産リスクをシミュレーションできるソフトとしてエクセルファイルを紹介しますので利用して頂ければと思います。
前回の記事はこちら
ファイルのダウンロード
まず使用するエクセルファイルですが、ファイルは以下のリンクからダウンロードできます。
使い方
ファイルを開いて【編集を有効にする】をクリックするとこのような画面になっています。
シミュレーションの流れは下記の4STEPになります。
STEP1 パラメータを入力
入力するパラメータは以下の4つです。
①初期資産
想定している元本を入力してください。
②勝率
取引に成功する確率を入力してください。
③1回の利益
1回の取引で初期資産の何%の利益を見込んでいるか入力してください。
④1回の損失
1回の取引で初期資産の何%の損失を見込んでいるか入力してください。
画像の例では、初期資産100万円、勝率52%、1回の利益1%(0.01)、1回の損失1%(0.01)を入力しています。
これは1回の取引で1万円勝つ確率が52%で、1万円負ける確率が48%であることを示しています。
STEP2 【数式】をクリック
入力が完了したらエクセル上部の【数式】をクリックしてください。
STEP3 【シート再計算】をクリック
【シート再計算】をクリックすることで、乱数が再生成されます。
STEP4 シミュレーション結果を確認
グラフには入力した条件で1000回取引を行ったときの資産変動グラフが表示されます。
STEP3とSTEP4を繰り返すことで、何回でもシミュレーションを行うことができます。
使用例
それではいくつかシミュレーション例を見てみましょう。
①初期資産100万円,勝率52%,利益1%,損失1%(1回目)
利益を少しずつ積み重ねていっていますね。1000回取引して50万円の利益が出ています。しかし、この手法なら必ず上手くいくでしょうか?
②初期資産100万円,勝率52%,利益1%,損失1%(2回目)
先ほどと同じパラメータで再度シミュレーションをしてみました。今回のグラフを見ると同じパラメータでも上手く行かない時もあるようです。1000回取引して20万円損しています。トータルとしては上手くいくパラメータかもしれませんが、一時的に損することは理解しておいた方が良さそうです。
③初期資産100万円,勝率95%,利益1%,損失18%
勝率は高いものの、1回あたりの損失が大きい取引パターンですね。いわゆるコツコツドカーンで最終的には損するタイプです。もう少し利幅を抑えてリスクを抑えた方が良さそうですね。このグラフでは最終的にトントンになっていますが、資産が一時ほぼ0の状態になっています。この状態では冷静な取引はできないですし、資産が目減りしている段階で取引から退場していることでしょう。
④初期資産100万円,勝率5%,利益25%,損失1%
今度は逆に1回当たりの勝率は低いものの、当たれば大きな利益が出るパターンですね。最終的には大きな利益を得ていますが、初期の段階では資産が約半分になっている時もあります。このような取引の場合は、一時的には資産が半分程度になるリスクがあることを想定しておけば問題ないと思います。
⑤初期資産100万円,勝率50%,利益5%,損失4%
これはプロのトレーダーでしょうか?(笑)危なげなく資産が確実に増えていっていますね。このような取引ができるかどうかは別として、理想的な資産変動グラフになっているように思います。
まとめ
取引には必ず運が存在し、絶対は存在しません。しかし、できるだけ破産リスクの少ない取引方法を選ぶべきです。今回紹介したエクセルファイルにパラメータを入力すれば、どのようなリスクを想定すれば良いかが見えてきます。ここで紹介した内容を参考にリスク管理に役立てて頂ければ幸いです。
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